日本ユースリーダー協会内部に設置した選考委員会による選考と、外部有識者で構成された審査委員会*による厳正なる審査を経て、このほど第13回若者力大賞の受賞者が決定しましたのでお知らせします。
*審査委員(敬称略)
審査委員長 永野 毅 (東京海上ホールディングス株式会社 取締役会長・当協会会長)
審査委員 中村 公一 (山九株式会社 代表取締役会長・当協会副会長)
審査委員 山中 祥弘 (学校法人メイ・ウシヤマ学園 理事長)
審査委員 橋本久美子 (橋本龍太郎元首相 令夫人)
審査委員 高桑 早生 (パラアスリート・第7回若者力大賞 ユースリーダー賞受賞者)
表彰式は、2022年(令和4年)7月21日(木)に開催いたしました。
1987年生まれ
株式会社SkyDrive 代表取締役CEO
■100年に一度のモビリティ革命とは、「空飛ぶクルマ(ドローン)」は道路と言うインフラを必要としないということ。SkyDriveでは、人が乗るドローンを2025年の大阪万博でのサービス開始に向けて開発している。
■空飛ぶクルマの開発は物理的には可能なことなので、きちんと設計をして、資金力をつけて、国から許可が下りさえすればできる。例えば「フルマラソンをちゃんと走り切れますか?」という勝負だと考えている。
■最初は10~20㎞飛ばすくらいしか電池の容量が持たないかも知れないが、そういう市場からサービスを開始すればよい。インターネットも最初は遅かったが今は高速で動く。電気自動車も20年前は30㎞しか走れなかったが、今は300㎞走るようになった。
■開発には高い技術を持った優秀な人が大勢欲しい。スタートアップへの転職をする人は今は少ないが、スタートアップに参加するのが普通と言う環境が整ってくれば人材は増えると思う。
■社長として、解決が困難な問題をどんどん吸い上げて、自分の周りの仲間たちを巻き込んで解決している。SkyDrive応援団が国内外にどんどん広がっている。
■「空飛ぶクルマ」が一般的になるにはあと20年はかかると思う。その後は、日本でイノベーションを生み出す人を生み出すサポートしていきたい。
1989年生まれ
株式会社ミライロ 代表取締役社長
■幼い頃から車いすで生活をし、「自分の足で歩きたい」と強く願い、手術やリハビリにも耐えた。「歩きたい」という願いは叶わなかったものの、心の底から「やり切った」と感じ、晴れ晴れとした気持ちで病室を後にした。
■その後、「歩けないからこそできることがある」という想いの元、副社長の民野氏と株式会社ミライロを設立した。株式会社を選んだのは、社会性と経済性の両輪で事業を走らせなければ長続きしないと考えたからだった。
■現在は、当事者の視点から、ユニバーサルデザインやダイバーシティ&インクルージョン推進のための事業を行っている。社会では、「環境・意識・情報」3つのバリアの解消が求められる。環境面では、ユニバーサルデザインの施設監修。意識面では、障害者や高齢者へのサポート方法などを伝えるユニバーサルマナー検定。情報面では、障害者手帳アプリ「ミライロID」の開発運営などを手掛ける。
■他にもバリアの解消に向けて、各企業と様々な取り組みを実施している。障害者や高齢者、その周囲の人々が不安や不便に思っていることを一つでも多く解消し、一歩前へと踏み出せる社会を創っていこうと考えている。
1993年生まれ
ボランティア団体ACHAプロジェクト 代表
■児童養護施設卒園後に孤独感から毎日死にたいと思っていた時に、先輩から無償で成人式の晴着の後撮りをプレゼントされ、「あなたは生まれてきて良かったのよ。皆に大事にされている事を忘れないで」と言われたのがとても嬉しかった。この体験を他の卒園者にもしてもらおうと、無償または低料金で成人式の晴着の後撮りの機会を提供するACHAプロジェクトを始めた。
■卒園者の中には「振袖を着たかった」と思いながら生きている人も多い。そんな人たちには晴着を着ることが一つの区切りになる。晴着を着て先生たちにお礼を言うことで、「自分はちゃんとやっていこう」と前向きになれる効果がある。それまで離れていた親とコミュニケーションをとるきっかけにもなっている。
■プロジェクトは全国での展開を考えている。今まで100人以上の卒所者の撮影を行ってきた。
■2021年には社会的養護経験者や施設職員のメンタルケアを求めて署名活動を行い、かものはしプロジェクトなどと協力して7月19日に田村厚生労働大臣に4万7千人分の署名を提出した。
1986年生まれ
手作り科学館Exedra 館長
■2010年に科学コミュニケーションを通じた地域交流の活性化を目指して活動を始めた。人々の科学的な知や思考をアップデートし、21世紀を生きる人々がその恩恵を享受できる社会を目指している。
■誰でも気軽に訪れて科学に触れられる場所として、2018年に古い空きアパートをDIYで改修して「手作り科学館 Exedra」を開館した。Exedraとは古代ギリシャの貴族が対話に使った場所の名前。
■科学館では獣害問題にも取り組んでいる。駆除された野生動物の骨を標本化して研究や展示に役立て、革を教材や小物に加工し販売するとともに、レザークラフト体験を通じて人間と野生動物の関わりを考える題材にもしている。生態系を守るために外来生物を駆除することの是非、野生動物に餌付けすることの是非などを考える材料と機会を提供している。例えば豚肉は莫大な燃料を消費して海外から運送されている一方、国内で駆除されたイノシシなどの肉や皮は大半が捨てられているので、ジビエ肉の消費や革の活動は地球環境に負荷が少ないという気づきは、来館者に大きな反響があった。
■今後は、コンテナハウスなどを活用した小さな科学館を全国に広めたい。地域でハブになる科学コミュニケーターが全国に育てば人々の科学との接点が増え、科学知や最新の世界観が対話や社会課題への貢献を通じて広がっていくだろう。科学がもたらした最新の世界観の恩恵を全ての人に届け、今を生きる喜びを実感できる社会を実現していきたいと考えている。
共同創業者:メアリー・ポピオ Mary Popeo、1992年生まれ
■メアリー・ポピオさんは、ボストンカレッジの学生の時に広島を訪問し、被爆者から「原爆を落としたアメリカを許すのは難しいけれど、許すと言うことは気持ちではなく選択(チョイス)だ」という話を聞いて感銘を受け、「自分事」として平和活動をしようと決意した。
■広島平和文化センター(広島平和記念資料館の運営団体)の当時の理事長だったスティーブン・リーパー氏に出会って、NPO法人Peace Culture Village(PCV)の設立に協力する為に広島に移住した。PCVでは「平和文化」という言葉を使い「平和文化か戦争文化かという選択」を意識して日々活動をしている。
■被爆者の高齢化が進み、世代交代が喫緊の課題であるので、PCVでは被爆者の思いを引き継ぐ高校生、大学生をピースリーダーとして育てて活躍の場を与えようと活動している。具体的には、①ピースリーダーの育成、②ピースリーダーによる平和を伝える活動、③世界へ平和を広げる活動を行っている。活動を継続していく為に有償で平和公園を訪れる観光客に話をしている。
■広島では、平和を常に意識して生活することになる。「一緒に未来を作ろう」という広島のエネルギーが世界の希望になると思う。広島の若者に世界に出会う機会を持ってもらいたいと思っている。
代表者:大見謝 望(おおみじゃ のぞむ)、1996年生まれ
■"GlocaLand"とは、Globalな視点で考え、Localにアクションを起こしていくという決意のもと付けた団体の名前。昨年7月、離島やへき地に存在する健康格差を是正すべく、全国の学生、医師、薬剤師がオンラインで集った。うち14名の有志が団体を設立し、コロナ禍を経て現在40名程度にまで拡大した。
■健康課題の根本的かつ中長期的な解決に向け、SDH (Social Determinants of Health; 健康の社会的決定要因)に取り組み、離島やへき地で活動する医療従事者に取材してweb媒体で紹介したり、島民や現地の中高生、関心のある学生を繋げるコミュニティ活動などを行っている。
■仲間は離島をはじめ地域に根付いた活動を志向する者が多く、自分たちが将来活動を展開する場を変革することが即ち自分たち離島・へき地医療従事者の働きやすい環境づくりにつながり、ひいては地域住民の利益に還元されると確信している。健康格差を是正し、どこで暮らしていても笑顔で過ごせる社会を実現したいという思いを胸に活動している。
■国際保健を目指す者も、国は違えど、ローカルな視点で地域に根差した医療の実践・改革を担う局面が存在するため、弊団体の活動理念に通底するところがある。今後はそうした層も取り込みつつ、常に国際情勢に目を向け、国内の活動を深化させると共に、海外にも横展開していきたい。
第13回若者力大賞表彰式 | |
日 時 | 2022年(令和4年)7月21日(木)18:00~19:40 (オミクロン株の流行により開催日程を変更しました。) |
会 場 | 六本木ヒルズ、ハリウッドプラザ5階 「ハリウッドホール」 及び YouTubeライブ配信 |
参加費 | 無料 |
定 員 | 100名(リアル会場) |
主 催 | 公益財団法人日本ユースリーダー協会 |
協 力 | 学校法人メイ・ウシヤマ学園 ハリウッド大学院大学 |