さくらサイエンスプログラム(ベトナム高校生来日研修)実施報告

当協会は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が科学技術の学びを通して日本とアジアの若者同士の交流を深めることを目的として行っている「さくらサイエンスプラン」を活用して、東南アジア諸国からの学生の来日研修を行っています。

 

2022年度は11月にベトナム国際青年開発協力協会の協力を得てベトナムの高校生15人を招へいして実施しました。

  

さくらサイエンスプログラム(ベトナム人高校生来日研修)概要
実施期間

2022年11月14日(月)~20日(日) 7日間

方法

日本に招へい

対象者

ベトナム人高校生(15名)、引率の先生方(3名)

現地協力機関

ベトナム青年国際協力センター(CYDECO)

内容

品川女子学院高校2年生との交流、新江ノ島水族館のバックヤード見学、トーヨーカネツ(株)千葉事業所で生産ラインや技術開発を見学、三谷産業(株)で日本で働くベトナム人と意見交換

 

 

2022年11月14日(月)1日目

 ハノイから羽田に3時に到着。空港では、協会から招へいを担当している理事たちが迎えました。荷物もあるので、バスで宿泊場所である国立オリンピック記念青少年総合センターへ移動しました。

 

2022年11月15日(火)2日目

午前中は、15人の高校生を3つにグループ分けし、ベトナム側と日本側の皆で自己紹介を行いました。その後、今回のさくらサイエンスプログラムの流れについて説明し、目的の明確化を行いました。最後に滞在中の安全や健康に関する注意事項を周知しました。

昼食をセンターのカフェテリアでとった後、二日目午後は、最初の訪問・交流先である品川女子学院へ向けて出発しました。センターからは都営バス、山手線、京急線と乗り継いで、北品川駅で下りて5分程歩いたところに学校はあります。

品川女子学院では、高校2年生の化学の授業に参加させてもらいました。実験室の6人掛けの机にベトナムの高校生が1~2人ずつ入れてもらって、化学の先生も英語で授業をしてくれて、日本の高校生とベトナムの高校生が英語や身振り手振りでコミュニケーションを取りながら、実験に取り組み、2時間が過ぎた時にはすっかり打ち解けていました。ベトナムの高校生の中には、実験で取り扱った化学反応の式をスラスラと書ける子もいました。

2022年11月16日(水)3日目

午前は、片瀬海岸にある新江ノ島水族館へ行きました。ここは、相模湾の海の生き物の生態をそのまま再現した大水槽や、幻想的なクラゲの展示が有名ですが、特別にバックヤードを見学させてもらいました。午後は鎌倉に寄って、大仏を見学しました。

2022年11月17日(木)4日目

午前は、茨城県にあるアサヒビール茨城工場でビール製造のプロセスや品質管理を勉強しました。

午後は、千葉県にあるトーヨーカネツの千葉事業所を訪問しました。同社は、エネルギー備蓄用タンクや物流システムのメーカーです。ここでは石油備蓄タンクの製造工程を見せてもらい、また新技術として自動倉庫の開発状況や水素備蓄タンクの開発の一端も見せていただきました。とても暖かく歓迎してもらい、工場はベトナムの国旗で埋め尽くされていました。

 

2022年11月18日(金)5日目

午前は、北の丸公園の科学技術館を訪問しました。

午後は、神保町にある三谷産業の本社を訪問しました。三谷産業は石川県にベースがある情報システムや化学品の製造販売を行う企業です。三谷産業はベトナムとの関係が深く、ベトナムに関連会社が多くあり、神保町本社にも多くのベトナム人従業員が働いています。実際に働いているベトナム人従業員からの話も聞くことができて、質疑応答が活発に行われました。この後の時間を利用して、地下鉄を乗り継いで浅草を見学しました。

2022年11月19日(土)6日目

土曜日で、朝からバスに乗って箱根に出かけました。ロープウェイに乗って富士山や大涌谷でもうもうと立ち上る噴煙を見て、火山の成り立ちを学習するためです。

夕方から、意見交換会を開催しました。各グループで日本の印象や学んだことをまとめて発表しました。その後修了証を手渡し、ベトナムの先生と日本ユースリーダー協会の幹部で感謝を述べ合いました。その後、ベトナムの高校生たちは準備してきたアオザイに着替える子もいて、日本側もプログラムに協力した学生も集まって、交歓会となりました。ベトナムの高校生たちはギターを伴奏に歌を歌い、日本側も「上を向いて歩こう」を全員で歌いました。

2022年11月20日(日)7日目

最終日の午前中は、センターから荷物とともにバスで移動して日本科学未来館を見学し、その後お昼ごろに全員のチェックインとセキュリティの通過を見届けて、プログラムは無事終了しました。